愛車の2009年式DR-Z400SMのドライブ スプロケットの消耗具合を点検していたところ、ロックナットが緩んでいるのを見つけました。
ナットを手で触ると、スプロケットを止めているロックナットがカタカタと動きます。。。。
このロックナットが緩む話は以前から聞いていました。ですので、カバーに穴を開けて普段から合いマークはチェックしていて、全く問題ないのになぜ?
ナットはロックワッシャーによりロックがかかっているので、全く動いていない。でも、緩んでいる。。。。どういうこと?
色々と調べてみると、ナットは全く動かなくても緩むことがあります。他の車種でもあるようですが、DR-Zのここの緩みは、実はナットが全く動かずに緩みます。
巷ではナットが回転して緩んでいるという前提でロックワッシャーが悪いとか、または最初からきちんと締め付けられていないとか、色々と言われています。
きちんとナットは締め付けられていて、しかも全くナットが回転していないのにも関わらず緩んでくる、というのが実は正解だと思います。
そんな怪奇現象みたいなことがあるのですね。
では、解説していきます。
【DR-Z400SM】ドライブ スプロケットのロックナット緩む事件
現状分析をしてみる
ちょうどバイクでツーリングに出ようと準備していて、ついでにスプロケのカバーを外して、歯の消耗具合を点検していました。
スプロケのロックナットが緩むことがよくあると聞いてから、下の写真のようにカバーに穴を開けて普段からナットの合いマークを点検。
この日も問題なかったのですが、ちょっと汚れて合いマークが見づらくなってきたので、ウエスで拭いて綺麗にしていました。
何の気なしにナットに触れると、なんと動きます。一瞬、僕の動きが止まります。
あれ?いま動かなかった?
確かに合いマークは合っているので、ナットが回っているはずはありません。でも、カタカタと左右にナットが動く。ロックワッシャーがあるのでグルっとナットが回る事はありませんが、ワッシャーがなかったらグルグルと回るでしょう。
んー、これは緩んでいるように見えるけど、こういうものなのかな?いや、そんなはずないよな。これは普通に緩んでいるでしょ。
多分この状態で何年も乗ってたんだろうな。ロックワッシャーでナットがこれ以上回らなければ、オイル漏ってこないか。。。
ツーリングに行く直前だったので、このまま出かけるかどうかを考えていました。
DR-Zの場合、ここのロックナットが緩むと、エンジンオイルが漏れて来ます。という事は、いつオイルが漏ってもおかしくない状況。
ロックワッシャーのロックを外し、手でナットを回してみると普通にナットが緩んだり締まったりします。特に異常は感じられず、普通に緩んでいるだけのようです。
いくら何年もこの状態でバイクに乗っていたとしても、それが判明した以上、気分的にこのまま出かけるわけにも行きません。
しかし、ナットが動いていないのに緩むという事はあり得るのか。。。
DR-Z400関連でネットで情報を漁りますが、緩んでいたという話以外の情報は何もありません。
一件だけ他の車種で同じようにロックナットが動いていないのに緩んでいたという事例を見つけたのですが、組み付けるときにきちんと締めていなかったのだろう、という結論に達していて、納得出来ませんでした。
というのは、きちんとプロが合いマークまで付けてロックワッシャーまで取り付けているのに、肝心のナットが最初からユルユルに緩んでいる事はあり得ないからです。
DR-Zに限らず、ナットは回らないのにナットが緩むということがあり得るのか。疑問点をそこ一点に絞りました。
非回転の緩みが原因
一般的にナットやボルトが回転しないで緩むことがあるのかを調べたら、下記のハードロック工業という会社の企業サイトを始めとして、あっさりといくつか出てきました。
上記のサイトによると、ナットやボルトの緩みには二つあります。
回転して緩むのは我々もよく経験しますが、実は回転しなくても緩むことがあるようです。
非回転の緩みの原因は下記の通り。
DR-Z400に限ってみると、強大なトルクで締まっているものがユルユルになるのですから、もしかしたら上記の原因が一つだけでなく、複数起こっているのかも知れません。
より詳細を知りたい方はググってみてください。
メーカーも当然ここが緩むという事は承知しているはずで、それ故のロックワッシャーという事だと思います。
ロックワッシャーは緩み止めというよりは、それ以上ナットが回転して外れないようにするためのもの、というのが実は正解なのかも知れません。
メガスピードさんの考察
先ほども少し書きましたが、色々と検索した中で面白い記事を見つけました。埼玉のメガスピードというバイクの整備やチューンをしている会社の企業サイトです。
ドライブスプロケット固定ナットの緩みと適合外のチェーンについて
関連する部分だけ拾うと、RG500Γを整備中にやはり同じようにロックナットが回転していないのにも関わらず緩んでいたとのこと。
この記事によると、こういう事例はよくあるようです。
DR-Zがらみの情報でもよくありますが、他車種でもあるようですね。素材や振動、熱環境が影響すると思うので、他車種でも同じ素材で同じ環境ならあり得るということだと思います。
リンク先の記事の結論としては、締め付けられているナットが全く回転していないのに緩んでくる事はない、ということから、最初からきちんとナットを締めていなかったという結論に達しているのですが、それにしては僕はあまりにも事例が多すぎると感じています。
例えユーザーが自分でバイクをいじっている場合であっても、ロックナットを締めないでロックワッシャーを折り曲げたり、合いマークを付けたりはそうそうしないでしょう。
例えそんな人がいたとしても、ごく少数にとどまると思います。
特にアマチュアであれば、合いマークを付けたりロックワッシャーを折り曲げるという作業は普段あまりやりませんから、特に気を付けて作業をするのが普通の感覚です。
やはり、ハードロック工業のサイトのように、非回転の緩みが発生していると考える方が僕は自然だと思います。
処置と対策
さて、この後どうしたかですが、単純に緩んでいるだけなので、締めるだけです。
ナットは30mmなのですが、30mmのソケットは持っていない。プジョー309のリアのディスクブレーキを交換した時に32mmのロックナットで固定するというのがあって、その時に32mmを買ったのですが、30mmは無い。。。
結局近所のストレートに行って30mmのソケットを500円弱で購入し、ナットを締めました。一瞬逆ネジかと思いましたが、普通に時計方向へ回すと締まります。
締め方は、まずバイクに跨り、リアブレーキをかけてナットを回します。リアブレーキを踏まないとタイヤが空転してナットを締められません。
締め付けトルクですが、ユルユル状態で何年も走ってもオイルは漏ってこなかったので、多少でも締まっていて、きちんとロックワッシャーが効いていれば大丈夫だと思います。
なのでトルクレンチは使わずに、レンチでキツ目にグッと締め付けてワッシャーでロックしました。手締めで締めてから1/4回転ほどナットが回りました。
ロックナットもロックワッシャーも新品を使う方が良いのでしょうが、今回は再利用しました。
再利用する場合、ワッシャーは前回折り曲げられていた部分は使わないようにします。金属疲労で折れる可能性もゼロではないので、新しい部分を折り曲げた方が良いです。
あとは、たまにロックナットを手で触ってカタカタ動かないかチェックするだけです。合いマークは当てになりませんので(笑)。
こうして一度緩んで、再び締め付けたナットがまた緩む可能性があるのか知りたいところですが、ネットには情報が無いので自分で検証してみようと思います。
ちなみに、この後昼過ぎから無事にツーリングに出かけられました。
このブログでは愛車DR-Z400SMのインプレや、よく行く関東のツーリング先のルートをナビデータとともに載せたりしているので、興味あれば見ていってください。
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