DR-Z400SM(2009) 持ち主のインプレ

DR-Z400SM Motorcycle
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DR-Z400SM(2009) 持ち主のインプレ

はじめに

4年4万キロほど乗って、ここでインプレッションをしたいと思います。

今、現在DR-Zを気に入っているかと聞かれれば、気に入っている、と答えます。

他のバイクに乗り換えたいかと聞かれれば、ちょっと複雑ですね。というのは、他のバイクにももちろん興味がありますけど、DR-Zが無くなってしまえば、またそのうち乗りたくなるのではないかと思うからです。そのくらい気に入っています。

なので、もし他のバイクを買うにしてもDR-Zは置いておいて交互に乗り、もし何ヶ月もDR-Zに乗らないのであれば手放すでしょう。それくらい乗り換えというのは今のところ考えづらいです。

色々と試乗会に出かけて大排気量のバイクを中心に国産車から高級外車まで色々なバイクに乗ることがあるのですが、帰り道に毎回、「DR-Z、悪くないなぁ、というか、これでいいじゃん!」と思います。それでは順を追って説明していきます。

仕様

まず前提となる僕のDR-Zの仕様を書きます。同じDR-Zでもちょっと仕様が違うだけで、結構違う印象を与えることがあるかなと思うからです。

まずはヨシムラのトライコーンが購入当初から付いていました。バイクの排気音はかなりバイクの印象を変えますので重要です。車検ではいつもギリギリで音量をクリアしているので、比較的大き目の音です。

ヘッドガスケットをDR-Z400Eの物と交換して、圧縮比が11.3:1から12.2:1へと上がっています。変更前と後を横並びで比較することは出来ないですが、印象としては音が少し変わった感じがします。パンパンと元気のある音というのでしょうか。音にハリが出た感じです。

パワーが上がったかと聞かれると、プラシーボもあるので、そんな気もしますが、正直わかりません。

シートをハイシートに交換して高さが少し高くなっています。シートの幅や硬さが変わってお尻が痛く無くなりました。

タイヤはピレリのロッソコルサを2セット履いた後、今はBSのBT023を履いていて、リアタイヤは160/60にしています。

リアのスプロケットが購入当初から41Tから40Tへと1Tダウンされています。ちょっとマイルド方向、ロング方向ですが、1Tの違いですのでそれほど変わらないかなと思っています。それ以外、走りに影響がある部分はノーマルです。

リアスプロケットを交換ついでに40Tから41Tへ戻しました。

エンジン

まずエンジンです。DR-Zで一番気に入っているのはエンジンでしょうか。もちろんトライコーンの音とセットです。

元々シングルやツインエンジンが好きだというのはあると思います。ダダダダという音と振動を伴って前に蹴り出して進んでいく感じがたまらないです。

400ccのビックボアの中でバン!と爆発が起こって、その爆発がギアをかえしてタイヤに伝わる感じ。爆発ごとにタイヤがグン、グン、と駆動される感じ。色々とシングルやツインのエンジンに乗りましたけど、DR-Zのエンジンは楽しいです。一言でいうと元気がいい。

ちょっと前にMVアグスタのドラッグスターに乗って、すごく元気のいい音で面白かったのですが、帰り道にDR-Zに乗って感じたのが、DR-ZってMVに似てる!ってことでした。DR-Zの音が三つあればドラッグスターになります。

MVアグスタ ドラッグスター800(2019)試乗

音とフィールばかり言及してますが、パワーはどうかというと、町中や狭い峠で楽しく乗るには必要十分というところでしょうか。

これ以上パワーが無いともっとパワフルなエンジンが欲しくなりそうです。その下限いっぱいって感じです。理想を言うなら600ccくらいの排気量があったら完璧かもしれません。

もっとパワーが欲しいなと思うのは、少し登りで、スピードレンジが80km/h、90km/hくらいの状況です。

例えば70km/hぐらいで登りながらカーブを曲がって、立ち上がりでアクセル開けてもほとんど加速しません。そういうシチュエーションだとパワー無いなと感じます。元々オフ車なのでスピードレンジは低いです。

たまに試乗に出かけて、1000cc前後のハイパワーなバイクに乗った後だとDR-Zは全然パワーが無い感じがします。ですが、しばらくDR-Zに乗っているとすぐにまた感覚が戻ってDR-Zの加速が気持ちよく感じるようになります。

パワーがあるとかないというのは相対的なもので、何と比べて?というのはあると思うのですが、何かと比較せずにDR-Zにずっと乗っているのであれば、常に遅いと感じるということは無いように思います。

ギア比も低く、比較的トルクがあって低回転でグッとアクセル開けてもそれなりにグッとパワーが出ますし、パワーバンドもはっきりしていて、回転が上がるにつれてどんどんパワーが出てくるので気持ちよく感じます。

それでも、トップエンドまで回してもパワーの盛り上がりは持続しません。

カムがレーサーの400Eと比べてロープロファイルなモノに変更されていますので、例えば峠道でレブリミットまで回してもあまり意味がありません。ただ回っているだけですので、パワーの山を迎えたら早々にシフトアップした方が楽しいです。

400Eのカムに交換すればトップエンドまで回るようになってパワーも数馬力上がるようですが、逆にそれ以下の回転の力は少なくなるでしょうから考えものです。

今のような、街中や峠で流して遊ぶという使い方だとかえってパワー感が無くなりそう。峠やサーキットで常にレブリミットまで回して走るならカムを変えた方がいいでしょう。

あと、このエンジンはドライサンプです。最低地上高を稼ぐためにオイルパンのないドライサンプになっています。

基本的にオフ車はドライサンプです。これ知らないとエンジン下からは少ししかオイルが出て来ないので、あれ?って感じになります。フレームからもオイルが抜けますので、両方から抜く必要があります。

街乗り、下道

街乗りですが、例えば街中であれば信号もたくさんありますし、車も多いので加減速が多くて楽しいです。ただ車高が高いので、背の低い人は例えばすり抜けとか、少しだけ前に出て足をついて停まるとか、そういう細かい操作で不安に感じることがあるかもしれません。

車高の高さは逆にいうと見晴らしがいいですので、ミニバンやトラックに乗っているような気持ち良さはあります。ちょうど目線もミニバンくらいですしね。ただ、30km/h、40km/h、50km/hでしばらく巡航する状況は苦手です。

なぜかというとギア比が低いから。加速するにはパワー感があって良いのですが、一定のスピードを維持するのは苦手です。

アクセルを少し開けるとグッと加速し、閉じるとエンジンブレーキがグーンと効くという落ち着かない挙動になります。そうなるとアクセルの開け閉めでスピードを維持するのが嫌になり、クラッチを切って惰性で走るようになります。その方がスムーズに走れるからです。

DR-Zは4速までがクロスしていて5速は高速巡航用に少し離れています。僕のDR-Zの場合だと、低い回転で巡航する場合、ちょうど50km/hが4速と5速の境目になるのですが、ここが少し離れているので4速にするか5速にするか迷います。

オーナーからは、6速があったらなぁ、という声が多いのですが、それはこういう理由からです。

4速だと巡航するには少し回転が高い気がするし、5速だと回転が低すぎてガクガクします。では実際僕はどうするかというと、半クラッチを使いながら5速で走ります。

リアのスプロケットを40Tからノーマルの41Tに戻したところ、5速50km/hのガクガクがだいぶ改善されました。やはりこういうところはノーマルが良く考えられていますね。しかも全体的に少しパワフルになって、乗るのがさらに楽しくなりました。

40Tと41Tの直径を比較してみると、自転車のロードバイクの1速分くらいの違いがありそうです。意外と違いがありますね。1Tの違いはあまり変わらないと思っていたので、意外でした。

峠道はどうでしょうか。DR-Z400SMは一応本格的なスーパーモタード、英語で言うならスーパーモトですので、狭い峠を走るのは得意です。前後とも伸び縮み調整可能な凝ったサスペンションが装備されています。

フロントは倒立ホークですが、これが必要かというとどうでしょうね。多分にマーケティング要素が強いと思いますが、前後サス共に峠道やカートコースを走るにはしっかりと腰があって十分な感じです。飛ばしても不安な感じはありません。

ミニサーキットの桶川スポーツランドも走ったことがあるのですが、フニャフニャでダメだなぁとは思いませんでした。もちろんレースをして上位を狙いたいというのであれば、それは不満も出るかもしれませんが、アマチュアが遊びで走るには十分だと思います。

ただ、サスのストロークはスポーツバイクに比べると大きく、ブレーキングでグンと前が沈む感じはありますが、それがフニャフニャな感じで怖いということは無いと思います。

エンジンとギア比の関係でこのバイクは70km/hくらいまでがスピードレンジとしてはちょうどいいと思います。それ以上のハイスピードな峠になるとちょっと物足りないでしょうね。

高速道路

高速はあまり乗らないのでよくわからないのですが、エンジン、車体、乗車姿勢から考えてもあまり向いていないのは想像つきます。以前高速に乗った時も80km/hで巡航していました。

周りと比べると遅いですが、それ以上出すとエンジンも自分自身も苦痛な感じになるので、80km/hくらいでのんびり行くのがいい感じです。最高速は150km/hくらい出るらしいですが、正直そんなことはどうでもいいという種類のバイクだと思います。

ツーリング

ツーリングは楽しいです。エンジンの面白さは上に書きましたが、ここではライディングポジションについて書きます。

上でも少し書きましたが、オフ車のポジションはとにかく疲れないです。状態がほぼ直立でハンドルには体重がかかっていないので腕や首が疲れるということがありません。

他のスポーツバイクに乗っている友人が首が痛い、腕が痛い、背中が痛いという中、僕はどこも痛くありません。

もちろん長いこと椅子に座っていればどんなに高価なソファでも多少お尻は痛くなりますから、そういう疲労感はありますが、不自然な姿勢をしているが故の腕や肩や首の痛みはありません。

丸一日ツーリングでバイクに乗ってもどこかが痛いということがないのはとてもいいです。あるのは全身の気だるい疲労感だけです。

乗車姿勢が立っているので、意識的に顔を上げなくても目の前に景色が広がっていて、楽に景色を眺められます。前傾姿勢から無理に顔を上げて景色を眺めるのと、自然に景色を眺めるのとでは景色の感じ方も変わってくると思います。そういう楽しさはあります。

楽しいエンジン、楽に景色を眺められる、峠で少し飛ばしてコーナリングを楽しむ、一日中走ってもあまり疲れない、このバイクでのツーリングはとても楽しいです。

もう一つ、このバイクは移動式ガソリンスタンドとして機能します。どういうことかと言うと、簡単にガソリンタンクからガソリンが抜けるので、他のバイクがガス欠で止まっても自分のガソリンを分けてあげることが簡単に出来ます。

これは実際にあった話なのですが、6人で走っている時に、一人が山の中でガス欠で止まってしまいました。最寄りのガススタまで30km。

そこでDR-Zのガソリンタンクからキャブに行っているホースを外してペットボトルにガソリンを入れ、ガソリンを分けてあげました。

最近のバイクは燃料ホースが外から簡単にアクセス出来ませんから、ガソリンを抜くとなるとかなり大事になると思います。もしガソリンを抜くなら、ホースかポンプを使って給油口から抜いた方が早いでしょう。

古いオフ車だとこんなメリットもありますので、必要な時にはサクっとホースを外してガソリン抜いてください。

三角木馬と言われているシートについて

ツーリングが楽しいかどうかに関わる疲労に関連して、シートにも言及した方がいいでしょう。

DR-Zは三角木馬と揶揄されるくらいお尻が痛くなると言われています。三角木馬のままですとツーリングどころではありません。

冒頭の「仕様」で言及したように、僕のDR-Zはハイシートに交換しています。このシートに変えてからは痛くありません。

慣れると痛く無くなってくるということもあると思いますが、もし股間が痺れるのであれば多分ノーマルの幅の狭いシートが災いしています。その場合は、少し広めで柔らかめのシートに交換すれば解決するのではないかと思います。

人間が座る時には、お尻の坐骨で体を支えています。左右の坐骨の幅よりシートが狭い場合、シートが坐骨間に入り込んで股間を圧迫し、痺れるということに繋がります。

オフ車のシートはそもそもどっかり座る用には出来ていませんので、かなり狭く作られています。特に前の方はそうですね。

さらに足つきにこだわる人用に座面を低くするためにシートを薄くし、底付きしないようにスポンジを硬くするということもあると思います。

股間が痺れる人はまず坐骨間の距離を測ってください。段ボールの板に座ると丸く凹みが二つ出来ますので、それが坐骨の位置です。

その中心-中心の距離を測ると、それが坐骨間の距離になります。そうするとシートのどの位置に自分の坐骨があるのかわかりますので、シートがうまく坐骨を支えているのかがわかります。

もしシートが狭いなら、少し広めのシートに変えるとだいぶ楽になるのではないかと思います。参考にしてみてください。

足つき

僕は175cm/70kgですが、足つきは良くないです。ハイシートにしていますので多分3cmくらいは上がっていて余計に良くないです。両足だと爪先が地面について、かかとは少し高めに浮く感じです。

でも別に足つきが悪いのは気になりません。片足だけでよければ腰を少しずらせば足がカカトまでベッタリ付きますので不安はないですし、もう今ではもう慣れました。逆に普通のバイクに跨ると異常に低く感じて、なぜかちょっと恥ずかしいです(笑)。

お尻をずらせば160cmくらいの女の子でも片足べったり付きますから、物理的にはそれほど問題ないと思います。例えバランス崩しても車重が軽いのでリカバリーはそれほど難しくないですし、例え倒しても割れるものはありませんしね。

ちょっと不安を感じるのは擦り抜けするときでしょうか。今では慣れたのでそれほど問題は感じないですけど、もしフラついてバイクを倒したら隣の車を傷つけますからね。

キャンプ

キャンプもいいです。何がいいかと言いますと車重が軽いところです。僕はバイクをテントのすぐ脇に停められるところが好きで、そういうところを探して行くことが多いのですが、長野県の内山牧場キャンプ場はその要件を満たしていて、さらに景色も抜群に良いのでよく行きます。

内山牧場ではキャンプサイトまで行くのにバイクでガレ場を走り、荒れたダート道を少し登るような場所があるのですが、そういう場所ではdr-zの145kgの軽さは有効です。そもそもオフ車ですからね。車高も高いのでバイクの腹を擦ることもないです。

ただ、足つきは良くないので、不安に感じてゆっくり走ると、かえってフラついたりして、足がつかずにバイクを倒すということはあるかもしれません。勢いをつけて、おりゃ!とクリアする勇気は必要です。

積載も問題ありません。リアシートにシートバッグを直に付けると徐々に前にずれてきて運転し辛くなるのでリアキャリアをつけて、そこにシートバッグを載せています。そうするとバッグが背中に干渉せず運転しやすくなります。

シートバッグに全ての荷物を入れると重心が上に上がって、これまた運転し辛くなるので、僕はサイドバッグもつけています。横に荷物を分散すればバランスも良くなりますし、積載量も大幅に上がりますので、椅子からテーブルから食材まで大抵のものは運んで行けます。

シートバッグをつける際には右側のカウルがバッグに押されてサイレンサーに当たるので、使わない六角レンチをタンデムステップにタイラップでつけて、カウルがサイレンサーに干渉しないように工夫しています。

燃費

高速は使わずに信号の少ない田舎道を1日走ると燃費は22から24km/Lくらいになります。街中を走るとガクッと落ちて20km/Lは切ります。正確に測ったことはないのですが、感覚としては15km/Lくらいでしょうか。

サーキットだと80kmくらい走ってリザーブに入りましたので、大体10km/Lになる感じです。走り方や個体差もありますので参考程度にしてください。

最後に

色々な人に試しにDR-Zを試乗してもらうことがあるのですが、背が高いので不安に思うことと、ギア比が低いので低速域でギクシャクするのが好きではない人が多い印象です。

足つきは慣れますし、背が高いメリットもあるので僕は否定的には考えていません。ギアが低いことに関しては、僕は半クラッチを使ったり、クラッチを切って空走させたりして対応しています。

どうやって乗ったら良いのだろう?という工夫が必要なバイクではあると思いますが、僕はこのバイクが好きですね。

その証拠として、このバイクを購入してから5年間ほど、ほぼ毎週のようにツーリングに出かけています。

以前所有していた四気筒のバイクではこんなことはなかったので、それだけ楽しいと思っているのだと思います。最近リアのスプロケをノーマルの41Tに戻して、全体的に少しパワフルになったのでさらに楽しい。

毎週家を出る時に、高い目線で景色を眺めながらダダダダダ!とエンジンが軽快に回っていくのは今だにワクワクします。

以上です。

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