認知症などで、一人で行動出来ない家族がいる人は多いと思います。
うちにも認知症の母親がいて、少しづつですが家への帰り道がわからなくなることが多くなりました。
本人は自覚がないので、帰り道がわからなくなる心配は全くしていません。
例え近所であっても、実際にどっちへ向かったら家にたどり着けるのかわからないことがたまにある。それでも気軽に散歩に出かけます。
そこで何か対策はないかと考えたところ、たどり着いたのはAppleのAirTag。
ここ数ヶ月、母親にAirTagをつけています。実際に大いに役に立ったこともありました。
同じような状況で何か良い方法はないか、または具体的にAirTagを考えている人も多いと思うので、実際にどうなのかをレポートしてみます。
AirTagはこんなやつ
AirTagとはAppleの製品で、下記のような丸くて小さい、500円玉より一回り大きく、少し厚みのあるサイズの、スマートタグと呼ばれているモノです。
本来は鍵や財布につけておくことで、スマホから操作してAirTagから音を出したり、アプリの地図上で場所を特定して、紛失物を簡単に見つけるためのもの。
これを人に付けることで、人探しに使ってみようというわけです。
これ使える!
まず結論を書くと、
これ使えるぞ!
AirTagはリアルタイムで位置情報を表示出来ないので完璧ではないですが、十分役に立ちます。迷子になって、自分ではどうしようも出来ない人を探せます。
iPhoneなどのApple製品を持っている前提ですが、AirTag自体は4,587円。月額料金も発生しません。AirTagを買って自分のAppleIDと紐付け、探したい人に持たせるだけ。
もしiPhoneを持っていなければ、中古の安いものを手に入れてもいいでしょう。僕はAirTag用に35,000円でiPhone11を買いました。
ただし、付近に誰もいない田舎や山の中では機能しません。ここがネックと言えばネック。
AirTagが位置情報をネットに送信するには、他の通行人などのiPhoneなどが半径15m以内くらいにある必要があります。
それでは実際に迷子になった我が家の事例から、どんな風に機能するのかの詳細を書いてみます。
AirTagが役立った我が家の事例
帰宅すると家にいない
夜の7時頃、母親の家に到着すると母親がいません。どうやら外出した様子。もう外は真っ暗です。
事前に予想していたので、早速iPad(この時はiPhoneを持っていませんでした)の「探す」アプリを立ち上げます。
すると10分くらい前に、家から歩いて20分ほどの裏路地に母親がいたことになっています。
付近にはスーパーもないので普段はまず行かない場所。歩いていくには結構遠いので、間違いなく意図的に行った場所ではありません。迷っている可能性大。
AirTagの位置情報は「13分前にここにいました」とか、「7分前にここにいました」のように表示されます。この時も10分前くらいの位置が表示されています。
これって本当なのか?と多少疑う気持ちと、もしかしたら家に向かって歩いてくるかもしれないという淡い期待を込めて、次の位置情報に更新されるまで待ってみます。
しばらくすると位置情報が更新されました。
なんと、どんどん家から遠ざかっています。
あらら、だめだこりゃ。。。。
すぐさま車のキーを握りしめて家を出ます。
10分後、母親の最後の位置が記録されている付近のセブンイレブンに到着。再びiPadを出して位置情報を確認。
位置情報が再び更新されていて、もう少し先を歩いている様子。
さっそく車を出発させ、薄暗い歩道を歩いているであろう母親を探しながら、車をゆっくり走らせます。
するとたくさん荷物を持った母親が、ドンドン家から遠ざかっていく方向に歩いているのを発見。
車を停め声をかけると、疲れ切った表情で母親はこちらを見ました。そして無事保護。
本人はどこで何をしていたのかまったく覚えていないのですが、荷物から買い物をしていたようです。
スーパーのレシートがあったので確認すると、昼の12時過ぎに近くのスーパーで買い物をしています。
ということは、昼の1時頃から夜の7時まで彷徨い歩いていた可能性があるわけです。それは疲れ切るはずです。
リアルタイムの位置情報ではないが見つけることは出来る
今回が、AirTagを使って迷子の母親を発見した初めての出来事でした。
無事に母親を見つけて、家に帰る車の中で、
これ、感動的に役に立つ!
と思ったものです。
もしAirTagがなければ、自分で車を走らせながら当てもなく何時間も探したでしょうし、最終的には警察に捜索願いを出すことになったはずです。
町内放送で、捜索願いの放送をしたかもしれません。
母親本人にしてみても一晩中歩くことになるわけで、相当に不安でしょうし、最終的には誰かに助けを求めたかもしれません。
それが迷子発覚から30分もしないうちに発見出来て、家に連れて帰ってこれたわけですから、その違いは雲泥の差。
結局それほど人通りの多くない暗い夜道で発見したのですが、それでも付近のiPhoneなどが母親のAirTagを検知して情報提供をしてくれていました。
意外と広範囲というか、すれ違う通行人だけでなく、付近を走行している車や民家の中にあるiPhoneくらいなら、AirTagを検知してくれるのではないかと感じています。
外出中も監視できる
僕が母親と離れた場所にいるときでも、たまにiPhoneの”探す”アプリを眺めることで自宅にいる母親を監視出来ます。
母親が外出した場合、地図上の鍵とカバンのアイコンが家から離れていきます。大体どこへ向かって歩いているのかの検討はつきますが、正確なルートがわかるほど更新頻度は高くありません。
母親の外出が判明した場合、はたして無事に家に帰ってくるのか”探す”アプリでチェック。
さて、迷子になってないかな。。。。
あの大捜索事件以来、何度か一人で外出していますが、あれ以来迷って家に帰ってこれなかったことはないです。
本人に外出したのか聞いてもまったく覚えてないですが、見知らぬニラとか玉ねぎがキッチンにあることが外出した証拠。AirTagの情報は正しいようです。
定期的にアプリをチェックするのも面倒なので、母親が突然外出した場合にアプリから通知が来る設定が出来たら良いなと思うのですが、そういう設定は出来ないです。
本来AirTagはモノに取り付けるものなので、AirTagが自ら移動していくことは想定外のようです。
どうしてAirTagの場所がわかるのか
さて、どうしてAirTagの場所がわかるのか疑問に思う人もいると思うので、その仕掛けを簡単に書いておきます。
仕組みは単純。
AirTagはBluetooth信号を発しています。AirTagの機能はなんとこれだけ。
AirTagから発信したBluetooth信号は、10mから20mほどのごく狭い範囲にだけ届きます。
AirTag自体にはGPSやwifiで位置情報を取得したり、インターネットやモバイルデータ通信でどこかに情報を送信する機能はありません。
一方iPhoneは、GPSやwifiなどで自らの位置情報を持つ機能があります、モバイル通信も出来ますのでデータをネットに送信することも出来ます。
- AirTagはBluetooth信号を発信しているだけ
- iPhoneなどのデバイスはGPSやwifiで位置情報を取得出来る
AirTagが付近のiPhoneとBlueToothを使って接続出来れば、そのiPhoneの位置情報を自分の位置情報としてネット上に送信出来ます。
これがAirTagの仕組み。
AirTagの信号をキャッチしたiPhoneは、自らの位置情報をiCloudと呼ばれているデータサーバーに送信します。
ここにAirTagがあるわよ!
そのiCloudに送られた位置情報を、AirTagと同じAppleIDを持っているiPhoneやiPadなどにインストールされている”探す”アプリで確認出来るわけです。
もう少しわかりやすく、例え話で説明してみます。
迷子(AirTag)が泣いています。迷子は自分の居場所もわからないし、電話も持っていません。
その泣き声(Bluetooth信号)を聞いた近くの優しい人(iPhone)が、警察(iCloud)に迷子の居場所を電話(インターネット)で通報します。
警察は家族(同じAppleIDのデバイス)にだけ、その居場所を教えてくれる、という感じ。
これがAirTagの仕組みです。
問題点
AirTagの問題点について考えてみます。
AirTagの問題点は下記の通り。
iPhoneやiPadを持っていないと使えない
AirTagはiPhoneやiPadがないと使えません。なぜならAirTagを探すことが出来る”探す”アプリはApple製品にしか対応していないから。
”探す”アプリは、Androidでは動作しない。
それにAirTagの位置情報をiCloudに蓄えたり、他のデバイスとAirTagの位置情報を共有するのにAppleIDを使っているので、自分のAppleIDを持っている必要もあります。
AirTagは完全にAppleのシステム上で機能するデバイスということです。
macOSでも「探す」アプリは使えますが、実際に迷子を捜索するときにデスクトップやノートブックを持って出かけるのは大変。
ですので、iPhoneかiPad、出来ればiPhoneを持っていた方が便利です。
現状Apple製品を持っていない人、または持っていてもiPhone5などの古い製品の場合、新たにiPhoneを手に入れる必要があります。ここは人によってはハードルになりそうです。
AirTagを使うのに何を用意すれば良いか
AirTagを使うためにはAirTag本体と、AirTagの位置が表示される”探す”アプリがインストールされているiPhoneなどのアップル製品が必要です。
”探す”アプリは徐々に進化してきましたが、AirTagが発売される前の”探す”アプリではAirTagの位置を表示出来ません。
AirTagの位置情報が表示される”探す”アプリが動作するデバイスは、iOS14以降、iPadOS、macOS Catalina以降がインストールされている必要があります。
iPhoneであればiPhone 6s以降だな。
余裕のある人はサクッと最新機種を手に入れれば、問題なくAirTagが使えます。
大金を払いたくないなら、誰かのお下がりでもいいし中古で問題ありません。僕は貧乏性なので、結局は時間をかけて安い中古を探してしまいます。
中古でデバイスを手に入れる場合は、必要な「探す」アプリが使えるかどうかをよく確認してください。
あまり古いデバイスだとバッテリーが寿命の場合もあるので、ここも注意が必要です。
Apple公式サイトのここで、どのOSアップデートがどのデバイスで使えるのかの確認ができます。アップデートが適用されるということは、そのOSのバージョンがインストール出来るという事です。
中古のiPhone11を購入
僕は元々Androidスマホを使っていました。ですので、自分のスマホではAirTagは使えませんでした。
iPadは2台持っていて、一つは初代iPad Airで最終のiOSバージョンは12.5.5。これ以降にはアップデート出来ないので、このiPadでもAirTagは使えません。
もう一台は最新のiOS15.5が使えるので、しばらくこれでAirTagを探していました。
しかし外出するたびにiPadを持って出かけるのは大変なので、最近中古のiPhone11をヤフオクで入手。35,000円(税無し)。
iPhone11を選んだ理由は、「正確な場所を見つける」機能を使いたかったからです。この機能については後述します。
外出先から手軽にAirTagの動きを見たい場合は、持ち運びの手軽さからiPhone一択でしょう。iPadをリュックに入れて運ぶのは重いですし、常に持ち歩くのは現実的ではありません。
位置情報がリアルタイムではない
例え15分前の情報でもないより遥かにマシ!
次の問題点は、位置情報がリアルタイムではないところです。
それでも街中であれば十分に役に立つ頻繁で情報が更新されるので、無いよりは遥かにマシ。
例え15分前の情報でも、「15分前にそこにいた!」という情報があるだけで、大いに役に立ちます。
AirTagはふたつ以上の方が精度が増す
出来ればAirTagはひとつではなく、ふたつ持ってもらった方が良いです。
母親はいつも鍵とカバンに付いているふたつのAirTagを持って外出するのですが、位置情報を見ていると、意外と鍵は検知したけどカバンはしていない、のようなムラがあります。
ふたつ一緒に移動しているというよりも、バラバラに位置情報が更新されていく感じ。
例えば9分前に鍵はこの場所にあって、15分前にカバンがこの場所、のようにです。
こんな感じなので、出来ればAirTagをふたつ以上持っていればさらに居場所の精度が増します。
いかに身につけさせるか
次の問題点はいかに身につけさせるか、です。
認知症の人がひとりで外出するときに、自分で
迷子になるからAirTagを持たなきゃ。
と、AirTagを持って出かけることはまず無いでしょう。
これはAirTag自体の問題では無いのですが、どうやってAirTagを持って外出してもらうか。ここは一つ問題になると思います。
うちの母親の場合、外出するときには必ず「鍵」と「カバン」を持って出かけます。
これは認知症ではない頃からの習慣です。
鍵をかけなければ外出出来ませんし、カバンは財布などの大事なものが入っています。
例えゴミしか入っていなくても、カバンはとにかく”大事”なので必ず持って出かけます。
僕が鍵とカバン、両方にAirTagを付けているのは、両方とも持たないで出かける可能性がかなり低いから。
もし何も持たないで出かけてしまうのであれば、ズボンのベルトループや靴にAirTagをくくり付けておくのも一つの方法ですね。
ちなみに写真のAirTagのケースはこれです。
2個セットで安かったので買ってみました。買ってからちょうど一年になりますが、今のところ不具合はないです。
ちょっと値段が高い?
AirTagの値段は一つ4,587円。4つまとめて買うと15,334円で3,000円ほど安くなります。
値段は変わるかもしれないので、直近の値段はここで確認してください。
鍵とかカバンにくくり付けるなら、ケースなどの小物がさらに必要になるので、大抵の場合一つ5000円は超えることになります。
円安の影響もありますが、Apple製品らしく少し高い気もします。しかし迷子を見つけるという機能から考えると十分安いと思いますが、どうでしょうか。
アンドロイドのスマートタグはどうなのか
AirTagのような製品をスマートタグというのですが、アンドロイドにもTileなどのスマートタグ製品がいくつかあります。
Androidのスマホしか持っていない人は、気になりますよね。
同じなんじゃないの?
一見AirTagと同じように使えると思うのですが、Androidスマホ用のスマートタグは基本的にはタグ内蔵スピーカーから音を鳴らして、音でモノを探すためのものです。
あっちから音が聞こえる。あっちにあるな。
位置情報も取れなくはないですが、AirTagに比べると使えません。
なぜか。
Androidのスマートタグも、仕組み自体はAirTagと同じ。
決定的な違いは、スマートタグに付随するアプリが付近のスマホにインストールされていないと、そのスマートタグと通信出来ないところ。
色々な会社からAndroid用のスマートタグが発売されていますが、それぞれの会社が独自に開発したアプリがインストールされたスマホが付近にないとダメだということです。
例えば人気のあるTileというスマートタグを使うとします。
このスマートタグの位置情報を取得するには、付近の通行人が持っている別のAndroidスマホが必要で、さらにそのスマホにはTileのアプリがインストールされている必要があります。
これだと数がかなり少ないので、なかなかAirTagのように位置情報が取得出来ない。
迷子なんだけど、誰も見つけてくれない、、、
AirTagの場合、AirTagの位置情報を検知するためにiPhone等に特別なアプリをインストールする必要がないため、すべてのiPhoneなどのApple製品がAirTagを検知出来ます。
Tile社はタクシーや駅にデバイスを置いてスマートタグの位置情報を取得する試みをしていますが、なかなかAirTagのように数分ごとに位置情報を更新してくれるまでには至らないようです。
ひどい場合は、人通りの多い街中でも数日間位置情報が更新されないことも。
ですので、一刻を争う迷子を探す場合には、現状AirTag一択です。
AirTagの他の利点
家の中の探しモノを即座に見つけられる
自宅の鍵にAirTagを付けているのですが、この鍵がよくなくなります。
まぁ当たり前で、カギを適当にその辺に置いたり、どこかに入れたりしますが、そのことを認知症の老人は一瞬で忘れるわけです。
一緒に外出するときに鍵を探すわけですが、どこにあるのか見当もつかない。
すぐにiPhoneを出して”探す”アプリを立ち上げ、まずはAirTagに内蔵されているスピーカーから音を鳴らしてみます。
なんとなく微かにどこかで鳴っているようですが、すぐにはどこだかわからない。
次は「正確な場所を見つける」機能を使います。この機能を使ってみたくて、わざわざiPhone11を手に入れました。
アプリがAirTagをサーチし始めます。すぐにAirTagと接続しない場合は、あちこちにiPhoneを向けながら移動してみます。
試しに天井にiPhoneを向けると、距離が縮まるので2階かもしれません。
階段を上がっていくとiPhoneの画面がグリーンになり、鍵までの距離がどんどん縮まります。AirTagを正面にとらえると、画面がグリーンに。
再びAirTagの音を鳴らします。
部屋の中で音は鳴っていますが、やはりすぐにどこだかわかりません。「正確な場所を見つける」で方向と距離を確認。iPhoneをあちこちに向けると10cm単位で距離が変わり、距離が0mになるまで探ってみます。
アプリが「ここ!」という場所は、どうやら洋服の山の上にあるフリースのポケットの中。
ポケットを探ると、見事に鍵が出てきました。
10cm単位で距離が表示されるのですが、かなり正確です。
たまにこうやって探すと、奇想天外な場所からカギが出てきます。
AirTagの音だけでも耳を澄ませば、大体この辺かな?と検討はつきます。しかし「正確な場所を見つける」機能を同時に使うともっと早い。
もしAirTagがなければ20分くらい鍵を探して、結局見つからずに諦めるところ。それが1分ほどで見つけることが出来るわけです。
これかなり便利ですし、探し物を見つけるのが面白い。
ない?よし、一瞬で見つけるよ!!
「正確な場所を見つける」機能はiPhone11以降で使えます。
この機能はiPhone11以降に搭載されているU1チップが必要なので、iPadやその他のデバイスでは使えません。
バッテリー
AirTagは、その辺で簡単に手に入る汎用のボタン電池を使用しています。
電池は1年くらいは使えるようです。減ってくると”探す”アプリで通知されます。
簡単に電池を交換出来るので、AirTagが壊れるまで使えそうです。
「正確な場所を見つける」で人間を探せるか
先ほど「正確な場所を見つける」が便利と書きましたが、では迷子を探すのに役に立つのでしょうか?
残念ながら「正確な場所を見つける」機能は、人間に対してはあまり役に立ちません。
というのは、探せる範囲が10m前後からと非常に狭いから。
それにコンクリの壁などの障害物が間にある場合も、AirTagを検知しません。
実はショッピングモールで僕が買い物中に、母親が行方不明になったことがありました。
ちょっとここで待っていて。買い物してくるから。
と店の外で待っていてもらったのですが、そのうちなぜここで立っているのかわからなくなり、僕を探して歩き始めたようです。
建物の中だとAirTagの位置情報も役に立たないので、「正確な場所を見つける」機能が役に立つかと少し期待しました。
試しに使ってみましたが、ダメでした。
10mというのは、実は非常に狭い範囲。
ショッピングモールなら、10mはすぐそこと言えます。すぐそこにいるのであれば、人間みたいな巨大な物体は目視で探した方が早い。
しかし20m以内であればAirTagと接続だけはするので、接続するなら比較的近くにいることはわかります。
近くにいるのに、姿が見えないような状況。例えば商品棚の裏とかにいるような場合ですね。
弱い電波をギリギリでキャッチしただけなので方向や距離はわかりませんが、少なくとも20m以内にいることはわかります。
そのまま少し歩いてみます。接続が切れるなら、迷子と離れて行っている証拠。あちこち移動しながら、接続が維持される付近を重点的に探します。
こういう使い方ですね。
距離や方向がアプリに表示されるなら、それはかなり近いですので目視で見つけられるはず。
「正確な場所を見つける」は鍵のような小さいものを家の中で探すのなら非常に役に立つ機能ですが、迷子を探すにはあまり向いていません。
ですか「接続」出来れば近くにはいるということなので、手がかりにはなります。その程度であれば使えます。
Apple Watchはさらに便利
付近に誰もいない農地や山の中では、システム上AirTagは機能しません。ここがAirTagの最大の弱点。
こういう地域に住んでいる人は、セルラー版のApple Watchが使えます。
2021年10月からスタートしたauのウォッチナンバープランを使えば、月額385円でApple Watchを独立した携帯電話として使えます。
Apple Watchであれば位置がわかるだけでなく、通話も出来ますし、腕につけていればそのまま外出してくれます。
AirTagより高価なことと、毎日充電しなければならないことがネックですが、ここをクリア出来るならAirTagよりも役に立ちます。
詳細は別記事に書きましたので、興味のある人は読んでみてください。
【見守り】Apple Watch(アップルウォッチ)は迷子老人を探せるか【レビュー】
まとめ
見知らぬ人に車で送ってもらったり、警察に送ってもらったりして、徐々に迷子になることが多くなってきた母親。
見守りサービスは各社いろいろとありますが、本人に持たせなければならない発信機が昔の携帯電話のように大きかったり、月額料金が発生したりして、なかなか良いものがありませんでした。
その中でこのAirTagはAirTag自体の大きさといい、手軽さといい、月額料金がかからないことといい、現状とても使える良いサービス。
位置情報もリアルタイムではないにせよ、探せば簡単に見つかる範囲でわかります。
農地や山の中であればAirTagは役に立たないので、Apple Watchのセルラー版を検討しましょう。Apple Watchであれば、通話も出来ます。
迷子になったお年寄りの情報が、町内放送でたまに放送されています。
これだけ便利な世の中になっても、相変わらず迷子になる人がいる。
便利なモノがあっても知らなければ使えないわけで、やはり情報は大切。迷子の町内放送が激減する手助けになればと思います。
Image by ThuyHaBich from Pixabay
コメント
認知症の叔母が迷子になり、GPSなどを探していてこちらにきました。
大変参考になりました。
ありがとうございました。
お役に立ててよかったです。我が家では、結局7-8回はAirTagで母親を見つけています。今では玄関の鍵を内側からロック出来るようにして勝手に外出出来ない状態にしたため、AirTagを使うことはなくなりました。玄関の形にもよりますが、内側からロックしてしまうのも手です。検討してみてください。