アライ ツアークロス3を2015年11月に購入して、4年半使ったのでレビューします。
僕はスズキのDR-Z400SMというモタードに乗っているので、オフ系のメットを探しました。アライが好きなので、オフ用のメットはこれか、Vクロス4のどちらかです。
初めてのオフ用メットだったので、シールドはあった方がいいかなぁ、というなんとなくの理由でツアークロス3を選びました。色は艶消し黒。
買ってから4年半経ちましたので、使っていくうちに色々と変化がありました。このツアークロス3は、使用状況や好みによって、色々とスタイルに変化を付けられるのが面白いところ。
音楽を聞いたりインカムで通信するためのスピーカーをどうやって仕込んだのか、も書きました。参考にしてください。
アライ ツアークロス3の総評
全体のレビューですが、アライですから不満はないです。
かぶり心地はほっぺたをギュッと締め付ける感じではなく、ほっぺたの下というか、顎の部分をチークパッドで下から支える感じで最高ですね。グッと締め付けられる圧迫感は皆無。
宣伝文句の通り、顎の部分も使って優しくヘルメットを支えている感じ。
ヘルメットの剛性を試すために、頭を入れるヘルメットの開口部を左右から手でグッと押してみても、他メーカーよりシェルがしっかりしていて硬いですし、安心感があります。
あと、このヘルメットの特徴は、アゴ部分の突き出しが少ないところ。
これはたぶんアライのヘルメット作りのコンセプトである、衝撃をかわすヘルメット作りから来ているのだと思いますが、他のオフ用のヘルメットとデザイン上での一番の違いはここかなと思います。
僕はそれほど気にならず、その方が安全なら、それでいいんじゃないの?という感じですが、”顎が長いのがオフメットだよね”という人にとっては、マイナスに感じるかもしれません。
ベンチレーションも豊富に付いています。この辺は他のアライのヘルメットと同じですね。不満はないです。
このヘルメットの最大の特徴は、バイザー、シールドを付けたり外したりして色々と変化を楽しめるところ。
僕の場合、最初はバイザーを付けてシールドを外してゴーグルをつけていました。まぁ、普通のオフ車乗りって感じですね。
辿り着いた最終形
最終的には風の影響がイヤでバイザーを外し、約4年の間、ほぼ下の写真のようなスタイルで乗っています。
ベルのモト3の現代版って感じで、悪くないと思います。アライが作っているので被り心地も安全性もバッチリ。街中を走る、現代のスーパーモトには合っていると思います。
100%のBarstowとの組み合わせ
アメリカの100%のゴーグル、Barstowとの組み合わせです。
ついでなので、Barstowのレビューも少し。
このゴーグルは、デザインがビンテージや街乗り用という感じでかっこいいです。ド派手なモトクロス用のゴーグルではなくて、もっとシックで洒落たものが欲しいという人にはいいと思います。
顔に当たる部分はスワンズのメガネ対応ゴーグルMX-797と一緒くらいの大きさなので、メガネもかけられます。
メガネをかけている人は多いですが、なぜかメガネ対応のゴーグルは少ないので貴重です。
ただ、走っている間に顔との隙間から虫が入ってきたり、ベルトとゴーグルを繋いでいる部分が切れたりと出来はイマイチ。この辺の細かいクオリティーは日本のスワンズの方が良いですが、カッコ良さはこっちです。
ちなみにアマゾンでも売っていますが、偽物もあるので注意してください。
下の偽物はロゴまでコピーしていたのですが、最近GOHANというオリジナルブランドにしたようです。値段は3,500円ほどと本物の1/3。
ディテールは違うようですが、Barstowのオリジナルレンズを装着出来るようなので、かなり似せているようです(笑)。
スワンズMX-RUSHとの組み合わせ
スワンズのRUSHとの組み合わせ。
このゴーグルはフィット感がいいです。海外ブランドと違って顔との間に隙間が出来ないので、虫とかゴミが入らないです。長持ちする作りにもなっていて、好感が持てます。
全く同じモデルはもう無いみたいなので、新しいRUSHのリンク貼っときます。
内装
内装ですが、多分他のアライと同じで比較的いつもさらっとしていて、気分がいいです。
チークパッドは取り外して定期的に洗った方が、さらっとした感じが蘇って気持ちいいですね。チークパッド以外の部分も全て取り外して洗えます。
スピーカーを仕込む
ヘルメットの中にスピーカーを仕込む場合ですが、このヘルメットはスピーカーを仕込むことはあまり想定していません。ですので、自分で工夫して入れる必要があります。
作業としてはチークパッドのカバーを一旦半分ほど剥がして、耳が当たる部分にスピーカーを入れて、再びチークパッドを元に戻す感じです。
僕はオーディオテクニカの1000円くらいの安いヘッドフォンを買って、耳にひっかける部分をニッパーで切って取り外して、ヘルメットの中に仕込んでいました。
これをBluetoothレシーバーに接続して、スマホとつなげるわけですね。
Bluetoothレシーバーはこんなやつを買いました。
100円ショップでテープで貼り付けられるベロクロを買ってきて、ヘルメットに貼り付けていました。
特に問題なく2年半ほど使用しましたが、最後は電池が寿命で1時間半おきに充電しなければならなくなり、買い換えました。
左右のスピーカーを繋ぐコードは、内装のフリップのような部分に入れれば問題ないです。
スピーカーの位置が微妙にズレると、耳穴からスピーカーが離れて音が悪くなりますし、スピーカーが耳を圧迫して痛くなることもあるので、スピーカーの位置はとても大事です。
人によって最適な位置は違うので、この位置決めは試行錯誤が必要です。
上に挙げたオーディオテクニカのヘッドフォンは音が悪いと文句をいう人が多いですが、大抵の場合はヘッドフォンの位置が良くないのかな、と思います。
まず耳にヘッドフォンを直接当てて本来の音を確認し、その音に近い音をヘルメットの中でも実現出来るようにヘッドフォンの位置を動かしてみてください。
前後左右もそうですが、チークパッドのスポンジを剥がしたり、逆にスポンジを増したりしてヘッドフォンの高さも変えてみると良いです。
僕はヘッドフォンを固定しないで使っていました。
するとヘルメットの脱着で、ヘッドフォンの位置が微妙に変わってしまいます。ですので、毎回微妙にヘッドフォンの位置を調整して、ヘルメットを被っていました。
この方法で慣れてしまったのでそれほど不便を感じませんが、人によっては面倒に思うと思います。その場合は、ベロクロなどでヘッドフォンの位置を固定した方がいいかもしれません。
ヘッドセットを仕込む
マイクが欲しくなって、今度はBluetoothが内蔵されたマイク付きのヘッドセットを取り付けました。
アマゾンで3,000円くらいで売っているやつですね。これをヘルメットに取り付けるには、さらに少し工夫が必要でした。
まず、先ほどのオーディオテクニカと比べると、スピーカーに厚みがあるのでスポンジを結構剥がしました。
右の耳のほうが圧迫されていたので、右側はスピーカーが入る部分のスポンジを無くして、発泡スチロールに乗っている状態です。これでスピーカーが少し低くなり、耳を圧迫せずに済みました。
良い音で聞こえる位置で、かつ耳を圧迫しない場所というポイントが難しいです。
耳が痛くなるとツーリングの楽しさも激減しますから、音を多少犠牲にしてでも、耳が痛くならない場所を探した方が良いですね。
少し前方の方、こめかみに近づく方向にスピーカーを動かすと、耳が痛くならずに良い感じです。
マイクですが、スピーカーとの接続はコードではなくて、フレキシブルに動く棒状のタイプでしたので最初はヘルメットに取り付け出来るか不安でした。
結局内装のカバーを少し切って、そこからマイクを出すようにしました。この状態でマイクも使えますし、スピーカーからの音もいい感じで聞こえてきています。
ヘルメットを被っていて、頬や顎にマイクの棒が当たるという不快な感じもないです。
このヘッドセットの簡単なインプレですけど、スピーカーからの音は及第点ですね。
3,000円ほどと値段も安いですので、そんなにいい音はしないですけど、捨ててしまいたくなるほど悪い音でも無いです。簡単にスマホに接続出来ますし、きちんと機能しています。
Facebookのメッセンジャーで音声通話もしてみました。
まぁ、なんとか話は出来ますが、インターネットなので音質は安定しませんし、時々途切れます。
山の中だとインターネットが届かない場所もありますし、アプリの出来の影響もありそう。ちなみにグーグルアシスタントは使えません。
常にバイク仲間と話がしたいなら、サインハウスのB+COMのような、直接無線でつながるものの方が安定していていいかもしれません。
電話の着信や仲間とはぐれた時など、必要な時だけ話が出来ればいいのであれば、これでもいいと思います。
口元にGoProを取り付ける
このヘルメットは口元にアクションカムは付くかな?と考えている人は多いと思います。
結論としては口元にカメラは付きますが、工夫が必要です。そのままでは平らな部分がないので、カメラのアタッチメントは簡単には付きません。
このヘルメットには、口元に空気を取り入れるスリットがあります。僕はそこにタイラップを差し込んでアタッチメントを固定しています。
その際に、カメラ本体がグラグラしないように固定する必要があります。そこで、GoProを買った時に箱に付いていた、GoPro本体を固定するためのアタッチメントを加工して使いました。
本来は箱にGoPro本体を固定してディスプレイするためのものなので、買ったら捨ててしまうものです。それを加工して、台座として使えないかと考えたわけです。
この台座にタイラップを通す穴を作って、ヘルメットとの接触部分に、切ったゴムを挟み、左右にグラつかないように取り付けて台座は完成です。
この状態で何度も撮影しましたが、問題ないです。カメラが必要なくなれば、タイラップを切って取り外しも出来ます。
同じような台座は、簡単に作れると思います。小学校の図工の時間を思い出して、創意工夫を発揮して頑張って作ってみてください。
シールドとゴーグル、どちらが良い?
このヘルメットはシールドかゴーグルを選べますので、両方使ってみてどうなのかを少し書いてみます。
人によってはシールド一択で、ゴーグルをする意味がわからんという人もいると思いますが、僕はゴーグルにもメリットはあると思っています。
シールドとゴーグルは見た目が大きく違うので、スタイルとしてどちらが好みか、というのもありますよね。
それではそれぞれのメリット、デメリットを書いてみます。
ゴーグルのメリット
ゴーグルのメリットは気温が低い時の停車時、または例えば10km/hくらいの遅いスピードで走っている時に、視界が曇らないことです。
シールドだと吐く息で視界が曇りますので、そこが大きく違います。
あとファッション的な視点で、ゴーグルをいくつか用意して気分で変えることで、ヘルメットの印象をガラッと変えることが出来ます。これは結構面白いです。
ゴーグルのデメリット
シールドよりも、多少視界が狭いと感じる人はいるかもしれません。視界の広さを重要視するのであれば、シールドの方がいいと思います。
外気が直接顔に当たるので冬は寒いと言われていますが、僕は寒いと思ったことはないです。
僕は関東南部を主に走っているので、冬でも外気温でだいたい3度とか、それくらいまでの話。
極寒地の場合はシールドより寒いかもしれませんが、外気温が0度以下に下がるような時は僕はバイクに乗りませんので、それ以下の領域はわかりません。
シールドのメリット
ゴーグルに比べると多少視界は広いです。
クラッシュして、何かの突起物が顔に当たるようなことを想定した場合の安全性は、シールドの方がいいと思います。
ゴーグルでもある程度顔を守ってくれますが、シールドの方が安全性は高いでしょう。
冬の寒い日に雨が降ってきた場合は、雨が入らないシールドの方が冷たくなさそうです。
シールドのデメリット
吐く息で曇るところです。
冬の寒いとき、走行風が入らない停車時や渋滞時は簡単に曇ります。
または林道のようなオフロードを走る時のように、遅いスピードで立ったり座ったりバランスを取ったりと、体を大きく使う場合も吐く息や汗で曇ると思います。
曇ると何も見えなくなるので、これはデメリットですね。
このヘルメットのシールドは湾曲がきついので、景色が歪んで見えるかも、、、と思う人もいるかもしれませんが、それは意外に無いです。
意識的に粗探しをしようと歪みをチェックしてみましたが、やはり無いです。アライもその辺は意識して、シールドを作っているようです。
ゴーグルとシールドを併用した場合
最初の頃は、シールドをヘルメットに付けたままゴーグルをしていました。
シールドを上に上げた状態で、ゴーグルをするということですね。必要に応じてゴーグルにしたり、シールドにしたり出来ると思ったわけです。
そうすると、シールドを下に下ろして使う場合に、ゴーグルをしまっておく場所が必要です。常にカバンか何かを持っていないと、ゴーグルをしまう場所に困ります。
見た目を気にしなければ、ゴーグルを下に下げて、顎の部分に装着した状態でシールドを使うことは出来そうです。
僕はなるべく荷物を持っていきたく無いので、次第にゴーグルだけを使うようになりました。
バイザー
バイザーですが、これって意外と邪魔です。
まず視界の上方に常に何か黒いものが覆い被さっている感じで、空が少し見えずらくなります。
僕は視界が広い方が好きなので、上方の視界が遮られるのは結構気になります。
バイザーは左右2点止めの上下可変式で、好きな位置に固定出来ます。ですので、上にグッと上げると視界に入らなくなりますが、バイザーが水平から上に向くとなんだかカッコ悪い。
もう一つは、例えば60km/h、またはそれ以上のスピードで走りながら後方確認すると、バイザーが煽られて首に力が加わります。
車線変更するたびに首にグッと力が加わるので、なんだか不快。
バイザーは、そもそもがモトクロスで前車が巻き上げた泥が、なるべくゴーグルに当たらないようにするためのものです。
舗装路しか走らない場合は、意味の無い装備ということになります。ということで取り外してしまいました。
バイザーを取り外すにはTXホルダーという部品が必要で、これは取り外した後の部分をカバーするためのものです。アライからオプションで1,700円ほどで発売されています。
オフメットにはバイザーが必要で、無いと困る、というのであれば、もちろんそれも良いと思います。帽子のツバのように、太陽を遮るという効果もあると思いますし。
ただ、高速などでの車線変更の時は、多少注意が必要です。
最後に
今のところ特に不満もなく使っています。
あまりヘルメットを拭いたりもしないので、艶消しの感じも依然と変わりないですね。特に買い換える必要も感じないので、まだまだ使うと思います。
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