あちこち一人で旅をするとなんとなく同じことの繰り返しに思えて飽きてくるということもあると思います。飛行機に乗って、宿に泊まって、街を歩いて、観光地を巡って。
もちろん国が変わればあらゆるものが変わるのでそれはそれで面白いのですが、何かこう、もう少し違った視点で旅が出来ないものか。
僕も移動し続ける旅に少し飽きて、もう少し違う方向へと興味を向けることにしました。少しその辺を書いてみようと思います。
海外一人旅に飽きた。次どうする?
移動し続けることをやめてどこか一か所に留まり、そこで地元の何かしらのコミュニティーに参加してみると面白いと思います。旅することを未知なる世界を探究することと考えれば、必ずしも移動し続けなくてもいいように思います。移動し続けることをやめて、もう少しその場所を深く見つめてみるということですね。
それでは少し僕の最近の旅について書いてみます。
オーストラリアに3年滞在
まず少し旅先に滞在して現地のコミュニティーに参加するのは面白いと思うようになったきっかけはオーストラリアでの3年の生活です。縁あってオーストラリアに住むようになったのですが、僕は昔からドラムをやっていたのでバンドをやり始めました。多いときで5つくらいのバンドを掛け持ちしていました。そのうちの4つのバンドはオリジナルの曲を作って録音してCDを作って、バーやレストランで演奏してって感じでした。もう一つのバンドはお金を稼ぐためのバンドで、主に結婚式でヒットソングを演奏していました。
バンドには色々な人がいました。ドイツ人、イスラエル人、スウェーデン人、ニュージーランド人。オーストラリアは移民の国ですから、オーストラリアで生まれ育ったオージーと移民の人は半々な感じでした。
この時の経験はやはり旅行とは全く違う体験でとても新鮮でした。これをきっかけに旅のスタイルが変化したと思います。
バリ島でマウンテンバイク
僕はオーストラリアで本格的にマウンテンバイクを始めたのですが、日本だとなかなか走れる場所がありません。マウンテンバイクで走るには走る場所が必要で、政府がバックアップして公園内にトレールを整備するか、またはたくさんオフロードがあって誰が何をしても文句を言われないようなゆるゆるな環境か、どちらかが必要です。
バリ島は後者ですが、調べるといくつかマウンテンバイクのツアーがあることがわかりました。バリ島でマウンテンバイクに乗るというのはあまりない発想でしょうし、これは面白そうだとツアーに参加することにしました。
日本から段ボールに自転車を入れて飛び立ちました。2週間ほど滞在して結局3回ほどツアーに参加し、それ以外は自分であちこち走りまわりました。絶対に観光客が来ないような山の中を走っていると番犬にはたくさん吠えられましたが、子供達は珍しがって、ハロー、ハローと声をかけてきます。
ツアーで知り合ったオーストラリア人と一緒にふたりでマウンテンバイクに乗ったこともありました。このオーストラリア人はGPSを使ってツアーで走った道をトレースしていたので、その道を逆に走り、キンタマーニという山の頂上を目指して山の中を登って行きました。途中ミカン園があって、このオーストラリア人はインドネシア語が話せたのでミカン園にいた女性と話を始めました。この女性が気を良くして、ジャージのポケットにミカンを沢山入れて帰ってきたのを思い出します。
ツアーに参加すると色々な国の人達と一緒にマウンテンバイクに乗れるのが面白かったですし、ツアーで知り合ったニュージーランド人と別のオーストラリア人からは、今度自分の国に来たら連絡してくれ、一緒にマウンテンバイクに乗ろう、と言ってくれて連絡先をもらいました。
バリ島で自転車でフラフラと走っていると、思いがけず素晴らしい景色に出会えたり、本当にローカルの人達だけのお祭りに出会したりと、なんでこんなに素敵なのに周りに一人も観光客がいないのだろう?と思ったものです。
この時に見たバリ島は通常の旅人が観光地をめぐるものとはまた一味違ったものだったと思います。
バリ島でのデジタルノマド向けワークショップ
同じくバリ島でノマドワーカー向けのワークショップに1ヶ月ほど参加しました。
僕を含めて六人の参加者がいたのですが、それぞれがリモートで仕事を持っている、または仕事にしたいと思っているプロジェクトがあって、それを実現するためにバリ島で仕事をしているという感じでした。講師がアメリカ人で、ノルウェー、ベルギー、フランス、イギリス二人、そして日本人の僕という感じでした。そういうバラバラな人が集まって、それぞれの進捗具合を報告したり、何かについて話し合ったりと、とかく孤独になりがちなリモートで働く個人事業主のためのワークショップという感じでした。いわゆるデジタルノマド、もしくはデジタルノマドになろうとしている人向けということです。
平日の午前中はウブドにあるOutpostというコワーキングスペースでレギュラーのワークショップをやって、たまにイレギュラーでブランディングや、ユーチューバーを招いてユーチューブチャンネル講座というワークショップがあったりしました。
午後は自分の作業をして、夕方からはフリーですのでみんなで食事したり、レストランでの生演奏を見に行ったりしていました。ギリ島という島がバリ島の近くにあるのですが、ここへメンバーと日帰りで行ったこともありました。ここでも色々なことをしている色々な人達に出会えましたし、自分の世界が広がった感覚です。
その後、まだバリに住んでいる人もいれば、違うアジアの国と自分の国を行ったり来たりしている人もいれば、アフリカに仕事を見つけてアフリカに住んでいる人もいれば、自分の国へ帰った人もいます。もうあのメンバーが一か所に集まるということはないかもしれないと思うとなんとも奇跡的な感じがしますね。
バリ島のチャングーに住んでみる
バリ島のチャングーという場所に最初は2ヶ月、その後にもう1ヶ月滞在というか住んでみました。場所を変えて普通に日常生活を送ってみるという感じですね。、平日は宿やカフェ、またはコワーキングスペースで仕事をして、週末はレストランでのバンドの演奏を聞きに行ったり、バイクでツーリングしたりしていました。週末にダンキンドーナッツを買いに行くのがなんとなく楽しみだったのですが、ドーナッツそのものもそうですが、夕方にバイクで走る行き帰りの田舎道がなんとも素敵で忘れ難いです。田んぼの向こうに沈む夕日だったり、外国人が全くいない村のお寺に沢山正装をしたバリの人が集まっていて、そこから聞こえるガムランの音が今でも耳に残っています。
ジャムセッションをやっているバーがあってドラムのスティックを持って参加したこともあります。ジャムセッションなのに200人くらいお客さんがいてびっくりしました。3曲ほど演奏したのですが、期せずしてバリ島でライブコンサートをした感じですね。とんでもなくいい演奏をするカナダ人のドラマーがいたのですが、この人とFacebookで友達になりました。この彼はバリ島で結婚して10年ほどプロのミュージシャンとして生活していて、レギュラーのレゲエバンドの他にたまにドイツにも行って演奏しているようです。
この時はまだウブドの例のワークショップに参加していた人が何人かいましたので、キャッチアップしたりしました。もうすぐバリ島を離れる人がいて、その人のお別れ会を彼女が住んでいるヴィラでやったのですが、山の中にポツンとある素敵なヴィラでこんなところに住んでいる人もいるんだなと関心しましいた。
例のワークショップで講師をしていたアメリカ人の女性が違うワークショップを始めていて、それに誘われました。内容は今でも摩訶不思議でよくわからないのですが、男女間で親密な感じをもっと深く追求する、というような内容だったと思います。でもそれはセックスは絡まないものだと、そう注意書きがありました。
そう聞くとなんとも魅力的な(笑)ワークショップに一瞬感じたのですが、よく考えてみると自分の好みでもない女性と親密な感じを共有する、それは相手にもそう言えると思うのですが、それってとっても居心地の悪いことですよね。多分その居心地の悪さを克服するというような趣旨だったのかもしれませんが、そう考えると参加をちょっと考えちゃいますよね。実はかなりチャレンジングなワークショップなのかも。ま、話のネタに参加してみても良かったのですが。多分一生こういう類のワークショップに参加するチャンスは無いように感じます。
そのワークショップの内容もそうですが、僕はワークショップを主宰しているアメリカ人の彼女の想像力と行動力、それにバイテリティーが凄いなと思います。結局このワークショップをオーストラリアでも何か所かで開催していました。彼女はそうやってバリ島を拠点に日々色々な場所で生活しています。そういう人生もあるのですね。
あなた好みの旅を自分で作ってみる
今までの話は完全に僕のための旅なので、全く同じことは他人には全くおすすめ出来ませんが、こういう感じで自分にあった旅を作ってみる、ということはオススメできます。
例え休みが1週間しか取れないとしても、観光地巡りをやめて現地で何かじっくりやってみるというのは一つの選択肢ですし、それも旅だと思います。
僕は次はヨーロッパを考えています。ドラムで出来ることはないかなと漠然と考えていますし、マウンテンバイクにももっと乗りたいと思っています。もっと奇想天外な生き方をしている人にも会ってみたいですね。さて、今回の僕の話を踏まえて、あなたの趣味趣向に置き換えるとすると、次は一体どんな旅を計画しますか?
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